ノンスタイル漫才の開放感

相変わらずどうもならん。
朝目覚めた瞬間に来る絶望感、あれは最悪だ。また一日が始まると気づくと同時に落とされる。
数十分すれば必ず少し軽くはなるので暫し耐える。


テレビでの暇つぶしが耐え難くなるとパソコンをたちあげるけど特に見たいものも思いつかない。今回はなんとなくyou tubeで漫才とかを見てた。特に、ノンスタイルばっか見てた。
何年か前のM1グランプリで初めて見てすごく面白かったし、先日のthe Manzaiのがとても笑えたので。
そんで色々見てたけどやっぱハズレ無しに凄かった。
石田明のほっそい手足がダイナミックに動くのがなんとも快感。


長沢節先生はとにかく痩せた人が好きな人だったから、細い人間のクロッキーばっか描かされるうちに私もどんどん針金みたいな体型の美しさにはまっていったけど。ノンスタイル石田ってその極致のひとつだなー。着ている物が全部白いのがまたいいな。あれが変な形に凄い速さで動き回るだけで気分がいい。


凄いダンスとかを見て「あんなに体が動いたら気持ちいいだろうなー」ってよく思うけど、お笑いの誇張された無駄な動きがあんだけダイナミックだとなんか感情が開放されそうだよなあ。ドッキリで仕込まれたオバケに異常に驚くときのウソみたいに転げるのもすごかった、演技なしでもあんな動きになっちゃうのかー・・・・・。私なんかびっくりしたらむしろ体が固まるほうだからそんな時にあんなに体が動くなんて考えらんない。恐怖の反動であんなに体が動いたらその恐怖は全部体を通して出ていってくれるかもしれないとか思う。


対して、井上ずんぐりむっくりのほうはカッコつける動作以外に無駄な動きが一切無いんだけど。短い足がいつだってどーんと地に付いている。そんで、やっぱり、これが内面を象徴してるわけなんだよね。
「いきりキャラ」ってのは結構前からやってたみたいだけど、最近テレビで見る気持ち悪さは凄まじいけど。しかし、キャラなんだけどもなんかわりと素の部分があるから安定感半端ないわ・・・。


通して見ていると、井上の自己肯定感って素で凄いっぽい。もしかしたら本気で自分のことかっこいいと思ってるのかもしれないと思うくらい。まあ、「言うほど酷くない」くらいは完全に思ってるだろーけど、それが外見を差し引いたかっこ良さと自分が思っているものとプラスされて総計でものすごく高い自己評価になってんだろーな、くらいは思う。あんだけ卑屈さが無いってのはそういうことだ。なんて前向きで強い精神だろーか。そりゃ、動きに動揺という無駄の出るはずも無いわ。あの人の佇まいみたいなもんは実はかなり優雅であるんだよね。あの顔とスタイルで全部台無しになってるけど・・・。


そう言えば、頭から突っ込む逆ベリーロールの形でかなりの高さの高飛びが出来るらしい・・・。頭から突っ込むなんつー怖いことができちゃうだけでも珍しいけど、あの身長と短い足で高く飛べるってことは有効に体が使えるってことだよね・・・。


自己肯定感の塊ってゆーどっしりとしたもんの傍らで、動揺という無駄だらけの動きがダイナミックに放出されるという・・・・なんつーか、ありゃ自己開放の芸だ・・・・・・だから気持ちがいいんだろう多分、いやきっと。